PMV¶
1 はじめに¶
本節では、次の3つの計算方法を定義する。
PMVの計算方法
PPDの計算
指定されたPMVを満たすための目標作用温度の計算方法
人体周りの熱伝達
PMVの計算は、次の値を必要とする。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の水蒸気圧, \(p_{a,i,n}\), Pa
ステップ \(n\) における室 \(i\) の空気温度, \(\theta_{r,i,n}\), ℃
ステップ \(n\) における室 \(i\) の平均放射温度, \(\theta_{MRT,i,n}\), ℃
ステップ \(n\) における室 \(i\) のClo値, \(CLO_{i,n}\), -
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの風速, \(v_{hum,i,n}\), m/s
室 \(i\) の在室者のMet値, -
PMV計算時の熱伝達率計算に収束計算を行うか固定値を使用するか
PPDの計算は、次の値を必要とする。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者のPMV, \(PMV_{i,n}\), Pa
指定されたPMVを満たすための目標作用温度の計算は、次の値を必要とする。
ステップ \(n\) における室 \(i\) のClo値, \(CLO_{i,n}\), -
ステップ \(n\) における室 \(i\) の水蒸気圧, \(p_{a,i,n}\), Pa
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの総合熱伝達率, \(h_{hum,i,n}\), W / m2 K
室 \(i\) の在室者のMet値, -
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の目標PMV, \(PVM_{target,i,n}\)
人体周りの熱伝達の計算は、次の値を必要とする。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の平均放射温度, \(\theta_{MRT,i,n}\), ℃
ステップ \(n\) における室 \(i\) の空気温度, \(\theta_{r,i,n}\), ℃
ステップ \(n\) における室 \(i\) のClo値, \(CLO_{i,n}\), -
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの風速, \(v_{hum,i,n}\), m/s
在室者周りの熱伝達率を求める際に収束計算を行うかどうか
室 \(i\) の在室者のMet値, -
本節の計算の結果、次の値が得られる。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者のPMV, \(PMV_{i,n}\), -
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者のPPD, \(PPD_{i,n}\), -
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の目標作用温度 \(\theta_{OT,target,i,n}\), ℃
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの総合熱伝達率 \(h_{hum,i,n}\), ℃
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\), ℃
2 記号及び添え字¶
2.1 記号¶
この計算で用いる記号及び単位を次に示す。
記号 |
意味 |
単位 |
|---|---|---|
\(clo\) |
在室者のclo値 |
- |
\(f_{cl}\) |
在室者の着衣面積率 |
- |
\(h_{hum}\) |
在室者周りの総合熱伝達率 |
W / m2 K |
\(h_{hum,c}\) |
在室者周りの対流熱伝達率 |
W / m2 K |
\(h_{hum,r}\) |
在室者周りの放射熱伝達率 |
W / m2 K |
\(I_{cl}\) |
在室者の着衣抵抗 |
m2 K / W |
\(K_{MRT}\) |
平均放射温度(絶対温度) |
K |
\(K_{r}\) |
空気温度(絶対温度) |
K |
\(m\) |
在室者の代謝量 |
W / m2 |
\(MET_i\) |
在室者のMet値 |
- |
\(p_{a}\) |
水蒸気圧 |
Pa |
\(PMV\) |
在室者のPMV |
- |
\(PMV_{target}\) |
在室者の目標PMV |
- |
\(PPD\) |
在室者のPPD |
- |
\(V_{hum,i,n}\) |
在室者周りの風速 |
m / s |
\(\theta_{cl}\) |
在室者の着衣温度 |
℃ |
\(\theta_{MRT}\) |
平均放射温度 |
℃ |
\(\theta_{OT}\) |
在室者の作用温度 |
℃ |
\(\theta_{OT,target}\) |
在室者の目標作用温度 |
℃ |
\(\theta_{r}\) |
空気温度 |
℃ |
2.2 添え字¶
この計算で用いる添え字を次に示す。
添え字 |
意味 |
|---|---|
\(i\) |
室 |
\(n\) |
ステップ |
3 在室者のPMV¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者のPMV \(PMV_{i,n}\) は次式により表される。
4 在室者のPPD¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者のPPD \(PPD_{i,n}\) は次式により表される。
5 在室者の目標作用温度¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の目標作用温度 \(\theta_{OT,target,i,n}\) は次式により表される。
6 在室者周りの熱伝達率¶
6.1 総合熱伝達率¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの総合熱伝達率 \(h_{hum,i,n}\) は次式で表される。
6.2 対流・放射熱伝達率の決定方法¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\) 及びステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの対流熱伝達率 \(h_{hum,c,i,n}\) は、 在室者の着衣温度に応じて定まる。 一方、在室者の着衣温度は在室者周りの放射・対流熱伝達率と空気温度や平均放射温度等の周囲の温度および人体発熱等の熱バランスによって決まる。 これらを解くためにISOでは着衣温度を未知数とした収束計算によって求める方法が示されている。
周囲温度は時々刻々変化していくため、これらの収束計算はステップごとに解かねばならない。 本負荷計算では、収束計算にかかる計算時間を考慮して、(1)収束計算による方法、(2)収束計算によらずに定数を用いる方法の2種類示し、求める精度により使い分けられるようにした。
6.3 対流・放射熱伝達率の決定方法(収束計算による方法)¶
STEP1
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの対流熱伝達率 \(h_{hum,c,i,n}\) は、 式(5a)により次の値から求める。 なお、ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\) は収束計算により求める値であるため未知数である。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の空気温度 \(\theta_{r,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの風速 \(V_{hum,i,n}\)
STEP2
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\) は、 式(6a)により次の値から求める。 なお、ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\) は収束計算により求める値であるため未知数である。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の平均放射温度 \(\theta_{MRT,i,n}\)
STEP3
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の作用温度 \(\theta_{OT,i,n}\) は、 式(8)により次の値から求める。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの対流熱伝達率 \(h_{hum,c,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の空気温度 \(\theta_{r,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の平均放射温度 \(\theta_{MRT,i,n}\)
STEP4
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\) は、 式(7)により次の値から求める。
室 \(i\) の在室者のClo値
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の作用温度 \(\theta_{OT,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの対流熱伝達率 \(h_{hum,c,i,n}\)
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\)
室 \(i\) の在室者の代謝量 \(m_i\)
STEP1及びSTEP2で与える在室者の着衣温度とSTEP4で求まる着衣温度が一致するように収束計算を行い、 ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\) を求める。
この収束計算により求めたステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\) を用いて、 改めて、ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの対流熱伝達率 \(h_{hum,c,i,n}\) 及び ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\) を求める。
6.4 対流・放射熱伝達率の決定方法(収束計算によらずに定数を用いる方法)¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの対流熱伝達率 \(h_{hum,c,i,n}\) は、式(5b)により求める。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\) は、式(5b)により求める。
6.5 その他の関数¶
ここで示す関数は、在室者周りの放射・対流熱伝達率の決定に際して、 「7.2 収束計算による方法」または「7.3 周桑計算によらない方法」で使用される関数を定義する。
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの対流熱伝達率 \(h_{hum,c,i,n}\) は次式により表される。
収束計算による方法の場合
収束計算によらずに定数を用いる方法
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者周りの放射熱伝達率 \(h_{hum,r,i,n}\) は次式により表される。
収束計算による方法の場合
収束計算によらずに定数を用いる方法
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣温度 \(\theta_{cl,i,n}\) は、次式により表される。
7 在室者の作用温度¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の作用温度 \(\theta_{OT,i,n}\) は次式により表される。
8 代謝量¶
室 \(i\) の在室者の代謝量 \(m_i\) は次式により表される。
9 着衣面積率¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣面積率 \(f_{cl,i,n}\) は次式により表される。
10 着衣抵抗¶
ステップ \(n\) における室 \(i\) の在室者の着衣抵抗 \(I_{cl,i,n}\) は次式により表される。